さて、今回選んだProject X LZについてお話しする前に、まず「Loading」という言葉について考えてみたいと思います。
Loadingと聞くと、一般的には「読み込み」という意味を思い浮かべる方が多いかもしれません。
プログラムをロードする。
データをロードする。
コンピューターの世界では、よく使われる言葉です。
しかし「Load」には、もう一つ重要な意味があります。
荷を載せる。負荷をかける。
工学では、
Load = 荷重・負荷
という意味で使われます。
ゴルフでLoadingを考える場合には、こちらの意味の方が分かりやすいと思います。
クラブにLoadをかける
ゴルファーがグリップを動かすと、クラブヘッドも動こうとします。
しかし、クラブヘッドには質量があります。
質量がある以上、慣性があります。
手元は進もうとする。
クラブヘッドは、その場に残ろうとする。
その結果、クラブには負荷がかかります。
つまり、
クラブにLoadがかかる。
ということです。
そして、このLoadという考え方は、The Golfing Machineにも登場します。
最近では「フライングウェッジ」という言葉で、The Golfing Machineを知った方もいるかもしれません。
ただ、正確には、
です。
Wedgesと複数形になっています。
左腕とクラブによって作られるLeft Arm Flying Wedgeと、右前腕とクラブによって作られるRight Forearm Flying Wedge。
二つの「くさび」です。citeturn0search1turn0search0
ウェッジというくらいですから、そこには当然「角度」があります。
そして、その二つのウェッジがスイングの中を飛んでいく。
だからFlying Wedgesです。
ところが、その「角度」だけを見ていると、The Golfing Machineのもう一つ重要な部分を見落としてしまいます。
Loadingです。
形ではなく、Loadを見る
トップで左腕とシャフトに角度がある。
ダウンスイングでもその角度が残っている。
それを見ると、
「タメがある」
「コックを残している」
と考えたくなります。
しかし、その形を意識的に作っているとは限りません。
手元に力を加える。
クラブヘッドには慣性がある。
その結果としてクラブにLoadがかかる。
Loadingが続いているから、外から見ると角度が残って見える。
つまり、
角度を残しているからLoadingしているのではなく、Loadingしている結果として角度が残って見える。
私は、この順番が非常に重要だと考えています。
Float Loading
そしてThe Golfing Machineには、
Float Loading
という考え方があります。
Float Loadingの特徴は、Loadingがトップだけで完成するのではなく、切り返しからダウンスイングに入る過程でもLoadingが加わることです。一般的なTGM解説でも、左手首のコックが切り返し付近まで深まる動きとして説明されています。citeturn0search11
手元が動き始める。
クラブヘッドは慣性によって遅れる。
すると、ダウンスイングに入ってからさらにLoadが加わります。
その結果、外から見ると左腕とシャフトの角度が、トップよりも深くなったように見えることさえあります。
セルヒオ・ガルシアなどは、この現象をイメージしやすいゴルファーでしょう。
そして、私がもう一人思い浮かべるのがベン・ホーガンです。
ホーガンのリリース
ホーガンといえば、非常に遅いリリースが印象的です。
そしてインパクト付近でのスピネーションも有名です。
しかし私は、スピネーションを積極的に行ったから、あのリリースになったとは考えていません。
むしろ、
Loadingを続け、ボールの近くまで手元を進め、そこからリリースした結果として、あのスピネーションが現れたのではないか。
と考えています。
そう考えると、大切なのはインパクトで手をどう動かしたかではありません。
そこへ到達するまで、クラブにどの方向へ力を加え続けてきたのか。
ということになります。
今回のお客様との共通点
今回のお客様のスイングを見ていて、私が非常に印象的に感じたことがあります。
スイングプレーンと、クラブに力をかけている方向が、ダウンスイングを通してほとんど変わらない。
手元を途中で身体の方へ引き込んだり、ボールに合わせるために力の方向を大きく変えたりしません。
同じプレーン上を手元が進み、その方向へ力を加え続けています。
なんとなく、ホーガンのクラブへの力のかけ方と似ています。
その結果、ボールのかなり近くまでLoadingを続けることができる。
そして、そこからリリースする。
だから、手元のプレーンを大きく変えなくてもグリップを先へ進めることができ、ダイナミックロフトも自然に減っていきます。
つまり、
ロフトを立てようとしているのではありません。
Loadingを続けた結果として、インパクトでロフトが立っている。
だからこそ、
「抑えるのは容易です」
という言葉が出てきたのではないかと思います。
そしてProject X LZへ
ここまでLoadingについて考えてくると、今回選んだシャフトの名前が非常に面白く見えてきます。
Project X LZ。
LZとは、
Loading Zone。
ゴルファーがボールの近くまでLoadをかけ続ける。
では、そのLoadを受けるシャフト側に、わざわざ「Loading Zone」と名付けられた領域を作ったProject X LZとは、どのようなシャフトなのでしょうか。
そして、なぜこのシャフトが今回のお客様にこれほど合ったのでしょうか。
次回は、今度はゴルファー側ではなく、シャフト側のLoadingを考えてみたいと思います。
